今では160冊ほどの本を入れています。ちっとも重くならないのがいい。そもそも何冊かの本を同時進行で読む癖もあったので、そんな読み方にも電子書籍はよく合います。これは、若者のためではなく、むしろ私たちのためにこそあるツールだと思い、悦に入っています。本当にオススメです。

 知らない人が実は多いのですが、用途別の分類もできます。「仕事に使う本」「時間潰し用の実用書」「じっくりと旅行に行った時などに読みたい本」などに分けておけます。まさに自分の書棚を持ち歩いているのと同じ感覚です。

 ジャック・アタリの『海の歴史』という本当に分厚い本を最近、読み終えたのも感動的でした。分厚くて、難しくて、仕事には関係がない。そうした本を読めるというのも、電子書籍のいいところでしょう。

 もちろん、先ほどの『結晶星団』など、古い本も蔵書に加えています。

コミックを若者の
専売特許にしておくのは惜しい

 そしてコミックです。コミックは、特にある程度の年齢になると、正直、持ち歩くのが恥ずかしい。しかもすぐに読めてしまうから、常に何冊か持ち歩いていないといけなくなります。これは辛い。でも電子書籍ならば問題がない。

 コミックでいえば、最近大人買いしたのがかわぐちかいじ氏の『沈黙の艦隊』です。これはずっと読みたくて、実は紙の本も買ってあるのですが、読めずにいました。だから電子書籍で買い直しました。そして改めて、アメリカと日本の緊張関係の描写を楽しみ、その奥にある現実との違いを考え、さらに今は中国との緊張が潜在的なリスクだと思い起こし、その後で同作者の『空母いぶき』を読んで、まさに対中国の話ではないかと驚きました。

 SFもコミックも、優れた話は、懐古趣味でもなければ、ただの奇想天外な話でもなく、楽しみながら、様々な可能性や関係性を知り、課題を浮き彫りにし、現代の解釈で読み直す、自らの感覚を磨くことができるものなのです。

 もちろん、そんなふうに肩ひじを張る必要はありません。特にコミックの場合、いい漫画を読んで一番強く思うことは、気持ちが若々しくなったということです。電子書籍の読書で若返ってみませんか?

(明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授 野田 稔)