金融・信用機関周辺では、“整理屋”として知られる人物がいる。200社超の企業の代表・役員に就任したその人物の正体とは? 廃業・承継市場に群がる「専門家」の実態に迫った。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2018年1月27日号『大量引退時代の最終決断 廃業or承継』を再構成したものです。

株式会社ラックと倒産情報過去に同様の苦い経験でもあったのかどうか? 債権者である取引銀行が、泣き寝入りすることなく破産申請という強硬策に出た

 ついに、取引銀行の堪忍袋の緒が切れたということか。2017年12月13日、再生可能エネルギー関連工事を手掛けるラック(東京都品川区)が、東京地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けた。

 よくあるような倒産情報ではない。金融関係者によれば、「例の要注意人物が関与する案件では珍しく、債権者である銀行が泣き寝入りせずに破産を申し立てたケース」なのだという。

 要注意人物とは、金融・信用機関周辺では“整理屋”として知られる人物のこと。ここでは、鈴木亮氏(仮名)としよう。

 鈴木氏は、17年夏に突然、経営難に陥ったラックの代表取締役に就任している。

 一般的に整理屋とは、倒産しそうな弱った会社に乗り込んで債権回収を図り、高額な手数料を巻き上げる人物・業者のことをいう。追加融資や再建など甘い話を経営者に吹き込んで、すっかり信用させた後は会社の資産を処分し尽くす。資金を巻き上げたらお仕事完了。気付いたときには姿をくらましていたりする。

 だが、鈴木氏の場合はちょっと違う。経営難に苦しむオーナー経営者向けにセミナーを開催するなどして、地道に“顧客”を開拓。姿をくらますこともない。特徴的なのは、それらの企業の代表・役員に就任して経営に直接、影響力を及ぼすことだ。