最近はパン屋チェーンも展開
最近はパン屋チェーンも展開

「例えば青島を拠点にして、山東省全域でチェーン展開している社長がいる。彼が新たに出店するときは、彼ともう1人の別の社長、それに俺の3人で資金を出し合うの。例えば青島の社長が40パーセント、もう1人の社長が30パーセント、俺が30パーセントという風に。出店し、実際に店を経営、管理する人間の比率が一番高くなる」

 利益は、出資比率に応じて分配するのだという。黒字になれば3者が儲かり、赤字になれば3者が損をする。このようなやり方で、丁が“頂点”に居続けられるのはなぜなのか。

「300店舗のすべてに出資しているのは俺だけ。それが創業者で、『大漁』の商標を持っている俺だけの権利であり、義務でもある。うまくいけば一番儲かるけど、一番損するリスクもある」

売り上げや利益なども
チェックせず自己申告制

 逆にいえば、丁が出資しない決断をすれば、各社長は出店できないということだ。全ての店舗に投資リスクを負うことになる丁の出資判断は、当然厳しいものになる。丁は言う。

「そこが今まで一番頭を痛めてきたところ。社長たちとしてはもっともっと店を出して、どんどん成長したいと考えるのは当然のこと。でも、欲を出し過ぎると、必ず痛い目に遭う。特に中国という国は儲けすぎたり、目立ちすぎたりすると、必ず誰かに狙われる。下手をすれば命さえ失いかねない。義で結ばれた社長たちは俺にとって兄弟と同じ。できる限り彼らの夢の実現を助けてやりたい。でも、イケイケすぎるとつぶされる。そこを抑えるのも俺の役目」

 各社長から上がってきた、売り上げや利益の数字をチェックする機能はあるのか。

「それも全て自己申告。チェックなんかしない。信用だけでやり取りしているの。そもそも、数字をごまかすような人間は入れない。いくら金を積もうが、『頑張ります、努力します』と言おうが、俺の目にかなわない奴は、うちのグループに参画できないの」

 これが丁の言う“義”で結ばれた関係、経営スタイルということだろう。