中国最大の和食チェーン会長が全身に「刺青」を入れた意外な理由中国最大規模の和食チェーン『大漁グループ』の総帥、丁家順さん(中央) Photo by Naoki Nemoto

ビジネス的に成功を収めた人から、市井に生きる名もなき人まで、さまざまな分野にいる在日中国人を紹介するDOL特集『隣の中国人“ディープチャイニーズ”たちの肖像』。第12回は、第10、11回に引き続き、さまざまな業態の飲食店を中国40都市で、約300店舗展開する中国最大規模の和食チェーン『大漁グループ』の総帥の丁家順(49歳)を取り上げる。中国で「和食の皇帝」と称されるほどの大物経営者には意外な秘密があった。(ライター 根本直樹/取材協力『東方新報』)

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失敗しても地獄
成功しても地獄

 実は丁の上半身には、堅気とは思えぬ見事な“刺青”が入っている。彼は黒社会の人間、つまりヤクザなのか。丁に、刺青を入れた本当の理由を尋ねると、中国特有の深刻な事情が見えてきた。

 丁は言う。

「俺、別に不良じゃないよ。ヤクザでもない。でも、俺にはこの刺青が必要だった。潰されずに生きていくため、飲食ビジネス戦争で勝ち抜いていくためにね」