米連邦捜査局(FBI)は2016年、テロ容疑者の「iPhone(アイフォン)」から暗号化データを抽出するため、アップルに捜査協力を迫ったが、かたくなに拒否するアップルを前に断念した。それから約3年、米ハイテク企業はデジタル情報へのアクセスを巡る攻防で、今度は海外政府から新たな圧力にさらされている。オーストラリアと英国では、法執行当局がハイテク企業に対し、データ提供の協力を迫ることを容易にする法律を可決した。ただ、これらの法律がどのような影響をもたらすのかは、まだ試されていない。インドも広く使われているフェイスブックの対話アプリ「ワッツアップ」の一部データについて、当局にアクセスを認める包括的な法案を検討。米国もアップル製品など暗号化されたデバイス内の情報にアクセスする取り組みを完全にはあきらめていないことを示唆している。