女性部下から失格の烙印を押された管理職の「話を聞く態度」Photo:PIXTA

3月に入り、だんだんと春の訪れを感じる季節になりました。4月からは、新入社員の入社や人事異動、転職などで新たな人間関係を構築する場面も増えます。この時期、管理職の皆さんが気をつけたいのが、若手社員に対する“話やすい環境づくり”です。管理職養成講座第30回では、常に忙しい態度を取ってしまったことで、女性部下から管理職の失格の烙印を押されてしまった事例を紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

エクセルのプロと呼ばれ
徹底した業務管理をするマネジャー

 外資系IT企業に勤めるSさん(男性・39歳)は、SEとして長年のキャリアがあり、プロジェクトマネジャーを任されている管理職です。Sさんは、プロジェクトの数値目標を必ず達成するだけでなく、冷静な分析力と仕事に対する姿勢が上司から評されています。周囲からは「エクセルのプロ」と呼ばれ、エクセルを駆使して徹底した業務管理を行っています。

 Sマネジャーには23歳から35歳の男女6人の部下がおり、4月からはさらに新入社員が数名入ってくる予定です。しかし、「人が増えてよかった」と手放しで喜べないのが、女性部下Aさん(30歳)がいるからです。