レンズ部分だけを持ち上げた様子周囲の人と目を見て話せるよう、レンズ部分だけを持ち上げられる。日本の地下鉄でホロレンズの従来機を首に掛けている人を見て思い付いたという Photo by H.O

 2016年に登場した従来機と比べると、ホロレンズ2は視野角が約2倍に広がったほか、解像度も向上。さらに、数千人分の頭の形を調べたことで、着け心地もよくなったという。

 だが、それ以上にインパクトがあったのは、操作性が圧倒的に改善されたことだ。

 従来機でもジェスチャーを用いた操作はできたのだが、あらかじめ決められた動きを覚える必要があった。ホロレンズ2では、物を触る、つかんで動かすといった、より直感的な操作に近づいた。

「これまでは、端末に合わせて使い方が築かれてきた。これからの端末は、ヒューマンファーストへとシフトしていく」とナデラCEOは強調する。

 実際に記者もMWCの会場でホロレンズ2のデモを体験した。

 ゴーグル型端末では、眼鏡を掛けたままでは使い心地が悪いことも多いのだが、眼鏡を掛けた状態でも違和感なく画面が映し出されたことがまず意外だった。

デモを披露したジュリア・シュバルツ・シニアリサーチャー氏発表会の壇上でデモを披露したジュリア・シュバルツ・シニアリサーチャー Photo by H.O

 机の上にあるCGの風力発電機に近づくと周囲に枠が表示され、指先でつまむしぐさをすると「カチッ」とクリック音が鳴る。CGを“つまめた”のだ。そのまま引っ張ると、手の動きに合わせてスムーズに拡大・縮小した。

 また、風力発電機を直接“つかむ”と、傾けたり移動させたりすることができ、本当に持っているかのように感じられた。

 個人的に面白かったのが、視線の上下で、画面に表示された文章をスクロールできるデモだ。寝転がってスマートフォンを使っていると、指先での操作がおっくうになることがあるが、それすら不要になりそうな機能である。

「SF映画『マイノリティ・レポート』の世界みたいだね」と声を掛けると、開発チームのジュリア・シュバルツ・シニアリサーチャーは、「もう映画の出来事じゃないわ。現実になったのよ」と誇らしげに答えてくれた。