一方のKDDIは、通信以外のサービスを組み合わせてauユーザーの囲い込みを図り、ポイント還元という形で光熱費を削減できるメリットをアピールする。

 さらに、この提携で特殊なのは、auユーザーが契約すると、そのアカウントが東電EP、KDDIに1件ずつ加算される。つまり、電力自由化で各社が顧客争奪の勝敗を争う中、東電EP、KDDIに“勝ち星”が付き、双方がハッピーになれるのだ。

狭まる東京ガス包囲網

 提携を積極的にアプローチしたのは、電力自由化の新規参入組で勝ち組といわれるKDDIだった。

 すでに電力業界2位の関西電力、3位の中部電力とは電力・ガス販売の業務を提携しており、東電との提携でトップ3の全てと手を組んだことになる。

 業界トップである東電との提携が他に遅れたのは、東電が先にライバルのソフトバンクと提携していたからだ。

 16年4月の電力小売り全面自由化に合わせてソフトバンクは東電と提携した。しかし、両社は18年5月ごろに提携を事実上解消。そこで、すかさずKDDIが東電との提携に動いた。

 東電は首都圏での光熱費争奪戦を勝ち抜くために、最大のライバルである都市ガス業界のトップ、東京ガスの包囲網を張り巡らせている。

 石油元売り最大手のJXTGホールディングス、LPガス販売大手の日本瓦斯はすでに陣営に引き入れた。KDDIが加わり、さらにその包囲網を狭める。

 対する東ガスは他社との提携には頼らず、自前の部隊が地道に営業活動を続ける“地上戦”を展開。ここまで東電から約163万件の顧客を奪い優位に立ってきた。しかし、今後は厳しい戦いを強いられそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 堀内 亮)