只野太郎(インフォメティス代表取締役社長兼エナジーゲートウェイ取締役)只野太郎(インフォメティス代表取締役社長兼エナジーゲートウェイ取締役) Photo by Ryo Horiuchi

 あなたの自宅ポストに毎月届く電気料金の明細書には、電気の使用量と請求予定金額が大きく記載されている。その電気料金の「総額」を一目見れば、「今月は使い過ぎたなあ」と察知することができる。

 では、実際に電力を“食った”家電製品がどれで、どの程度の料金が掛かってしまったのか。細かい内訳が書かれていれば、具体的な節電のプランを立てやすい。そんな明細書があったなら──。

 そうしたニーズを形にしたのが、インフォメティスが開発したアプリ「うちワケ」だ。

 どんなアプリか説明しよう。家庭の分電盤に設置した手のひらサイズの小さなセンサーが、分電盤に流れる各家電の電流波形を読み取り、どの家電がどれくらいの時間使われていたかを分析。その結果はパソコンやスマートフォンに送られる。使用頻度の高い家電をランキングしているので、効率的な省エネ対策も立てられる。電気料金がどのように加算されているのか“見える化”できるのだ。

 このアプリの土台となる家電の電流波形を見分けるAI(人工知能)の開発を主導したのが、只野太郎だ。エネルギー業界の異端児と呼ばれている。