「否定」をせずに
「承認」することが重要

前回の記事でも述べたように、今どきの新人は承認文化で育っていますので、より否定されることへの抵抗が強いのです。

だからこそ、良い部分もしっかり認めてあげるのです。

フィードバックの例としては、
「行動力は非常にあって良いけど、しっかり計画を立てて行動しないと、その行動力が無駄に終わってしまうよ。計画を立てて動けば無駄が無くなるし、その行動力が生かされるから成果にも繋がりやすいよ」
その人の良い部分を伸ばすために、弱点を克服しようという伝え方=指導法です。

その弱点を克服すれば、こんなに良い仕事ができる人になるという将来の目指す姿も見せてあげるとなお良いでしょう。

適切なフィードバックをすると、自分の弱点を克服しようというモチベーションが生まれます。

ただ単に自分の弱点や悪い部分を指摘されると落ち込んで終わります。
この違いが、新人の成長の大きな違いに繋がるのです。

本書でもあるように、相手のキャラを見きわめて、キャラ別の良い部分も認めながら、そのキャラを活かすにはどのように弱点を克服し、社会人としてどのように成長するのかを導いてあげるのです。

そうすれば、「上司は自分に期待してくれているからがんばらないと!」とフィードバックに対しても前向きに捉えられるようになるのです。上司が適切なフィードバックをすることで、部下からは成長と上司への信頼が返ってくるはずです。

新人に対して、「怒る」「叱る」に代わる<br />効果的な指導法とは?羽田 徹(はだ とおる)
話し方コンサルタント・トップ講師プロデューサー・株式会社web-school.tv代表取締役
大学生の頃よりラジオDJを始め、1998年に大阪人気No.1のFM802主催の新人DJオーディションに合格。その後FM愛知や文化放送でラジオオDJとして10年間活動。番組降板により挫折し不動産投資会社の営業に転職。話し方を武器にさらに営業力を磨き、2年目にトップ営業になる。2008年にはその営業力が認められ倒産寸前だったロープライス眼鏡会社の取締役営業本部長に就任し、当時64店舗から110店舗への躍進を支える。またインターネットカフェ最大手にて社外取締役を歴任。2012年、ラジオDJとしての話し方の技術、営業力、組織マネジメント力、経営経験などを生かし、組織人事コンサルタント会社のリンクアンドモチベーションにてナビゲーター(研修講師)、ファシリテーターとして活動。大手企業からベンチャーまで年間100件以上登壇、延べ2万人以上の人たちと接する。研修講師の採用や育成の責任者も兼任。新人やマネジメント研修、エグゼクティブへのスピーチ・プレゼン指導、組織活性ワークショップ、働き方改革の為のロジカルシンキング講座などを得意とする。自身の経験から「学びでこの世界を豊かにする」を理念として活動中。著書に『ビジネスマンのためのスピーチ上手になれる本』(同文舘出版)がある。社会人のための「話し方動画教室オンライン」運営。