製造業の中でも輸送機械器具が2015年14.2%から2018年上半期21.9%と大きく伸びている。自動車関連の近年の投資には、GSユアサによる自動車用鉛蓄電池工場の新設(天津市、新工場稼働時期は未定)、日本ガイシによるガソリン車用のPM(粒子状物質)除去フィルターの生産工場の増設(江蘇省蘇州市、2019年12月に生産開始予定)や積水化学工業による自動車内装用ポリオレフィンフォームの生産会社新設(江蘇省無錫市、今年4月から本格稼働)がある。積水化学工業の広報によれば「自動車の天井・ドア回りの内装材にグレード感が求められている」という。

 JETROが行った中国に進出する日系企業の実態調査(有効回答数752)によると、今後1~2年の事業展開の方向性について「拡大」と回答した企業の割合は、2018年度で48.7%に達した。過去10年で最も低かった2015年度の38.1%からすると、その割合は年々増加している。

増える「日本人ナシ」の現場

 かつて、日本人とその家族を対象にしたさまざまなサービスが発展した上海だが、再びその勢いを取り戻す日が来るのだろうか。対中投資が盛り返す中、これまで多くの日本人と向き合ってきた市内有名クリニックの院長に尋ねた。

「日中関係が友好ムードを取り戻したとはいいますが、これだけ物価や人件費が上がり、どこもかしこも人手不足な中で、果たして採算の合うビジネスができるかどうか。上海のみならず、他のエリアでも日本人を積極的に駐在させるのは難しいかもしれません」

 日本人駐在員が通う中国語教室で教える講師は、「シビアなコスト削減を行う日系企業は、家賃の手当が十分にできないという理由から、若手の単身社員を派遣する傾向が強くなっています」と語る。また、某日系企業で働く中国人従業員が「うちの総経理は中国人、従業員も中国人なので、ある意味コストダウンができています」と語るように、すでに上海の現場は「日本人ナシ」で回転するようになっている。

 市場として成熟する上海では商業イベントがめじろ押しだが、日系企業をクライアントにしたイベント事業者は「昨年の売り上げは、前年の10分の1になってしまった」とため息まじりだ。もとより日本人マーケットは縮小傾向をたどってきたが、そこに中国の不景気も重なり、視界不良が続く。