キチンとした勤務先に勤めていて年収もそれなりにあるというのに、「手付金の額を少なくしてほしい」と要求することは、売主側から見れば、「もしかしたら本当は購入意思があまり強くなく、他にもっとよい物件が見つかったらキャンセルをするのかもしれない」と思えてしまいます。

 そのような可能性を懸念され、「一番手」としての購入順位が保全されないことがあります。

 私は今まで、物件を探し続けているのに購入に至らないお客様にたくさん会ってきました。実際に購入申込を入れていたのに買えなかったという人もいて、詳しく聞いてみると「手付金の額がネックになったのではないか」と思えることが多々ありました。

 手付金の額は、皆さんが思う以上に大きな意味を持っています。

 ようやく気に入った物件が見つかって、やっと一番に申込を入れることができたのに、手付金にこだわって「買えない」のは、あまりにももったいないです。

 ただ、売主の残債が購入価格を超えている場合は、手付金を仲介会社預かりにしてもらうなどして、買主として万一のリスクに備えることも必要です。