【研究結果からの考察】

・人間は相手を自分よりも上に見ると声が高くなり、相手を下に見ると声が低くなる。低い声は、相手に対して説得力があって支配的な印象を与える。
・男女問わずこの傾向はあるが、特に男性はこの傾向が出やすい。
・声を高くするのは従順なシグナル。相手に「自分は安全な人間ですよ」ということを理解してほしくてアピールする。そのことで相手と戦わずに済むようにしている。

 この研究結果を営業の商談の場面に活用してみると、下記のようなことが考えられるだろう。

・相手が商談中に声が高くなるとき、あなたに対して腰が引け、恐れをなしている。

 あなたの説明に対して相手が「あ、そうなんですね!」などとちょっと上ずった声で納得しながらうなずいているときは、あなたが商談で説明している財・サービスに非常に興味がある時だ。商談成立に向けて大きく前進している。

 また、このとき相手は「あなたに従順ですよ」ということを無意識に示している。

・相手が商談中に声が低くなるとき、相手はあなたを無意識に見下している。「この営業は、簡単にあしらうことができる」と思われている。

 したがって、商談の相手がこのような口調のときは、商談成立までまだまだ時間がかかる。

 おそらく、あなたがやらなければならないのは、売りたい財・サービスの特徴やベネフィットの説明よりも、あなた自身が商談相手から尊敬されることである。

 あなたが相手から尊敬されなければ、相手はいつまでもあなたを「自分よりも格下の営業」と思っているので、商談の主導権は相手にあるままだ。だからおそらく、商談は思うように進まないだろう。

 このように相手の「声の高さ」で、相手が自分をどのように見ているのかがある程度予測できることがわかった。