高田 本の帯に書かれた説明文には、前半は苦戦が続いたチームの調子が、後半戦で上がって行くとありますね。娯楽重視のオーナー・沖さんと、実際に采配をふるう監督の樋口さんが、どのような決着を付けていったんだろうというのは、本当に楽しみです。

高田社長が描くV・ファーレン長崎の未来予想図

堂場瞬一氏堂場瞬一・作家
Photo by M.I.

堂場 何かひとつ、社長の考える、こんなクラブができると面白いな、という夢を聞かせていただけませんか。

高田 将来のことを考えると、やはり子どもたちの育成部門の強化には取り組んでいきたいですね。現在、V・ファーレンのトップチームは、諫早市サッカー場(なごみの里運動公園内)を練習拠点にしています。一方、アカデミー(U-18、U-15、U-12)の練習場は長崎市にあって離れているし、サッカー専用じゃないんです。将来的には、天然芝のグラウンドが5面くらい取れる場所で、クラブハウスを作ってトップチームの選手とアカデミーの子どもたちが共に過ごし、一緒に練習して、子どもたちにトップの技術を見せながら、一流選手を育成できるのが望ましい。それで昨年暮れ、県内の自治体に、新練習拠点用地の協力をしてほしいと公募をしました。今、大村市が手を挙げてくれています。

 この話も息子が全部やっているから、僕はタッチしていないんです。ただ、もし大村市に決まったとしたら、敷地内に語学教室を作りたいというのが、僕の夢です。英語をはじめ、スペイン語、中国語、フランス語、ドイツ語とか複数の言語を学べて、選手の勉強になるだけではなく、一般市民もみんな参加できる、インターナショナルな交流を目指すんです。

 そして実は、長崎県は平均寿命が短いんですよ。昨年、県を挙げて平均寿命を延ばそうという運動を始めました。ですので、新しい場所にフィットネスクラブを作ったり、大村湾の外周をぐるっと回るマラソンコースを作って、大会を開くのもいいかもしれません。

堂場 「教育」と「健康」がテーマ。

高田 少子高齢化で、今、高齢者がどんどん増えています。高齢者には観て、運動する楽しみを味わってほしい。同時に、スポーツの振興と教育によって、健全な子どもたちが育っていく。アカデミーの中から、V・ファーレンから、世界レベルの選手がどんどん誕生してくれたら……。まだ夢の夢という段階ですけど、それぐらいのイメージを多分息子も描いているんじゃないかなあ。

堂場 まさに「V・ファーレンタウン」ですね。

高田 僕はサッカーは詳しくないんですが、息子がもともとサッカー好きなもので。ワールドカップは5回ぐらい観に行っていますし、ヨーロッパ各地のスタジアムを見学し、研究しています。

堂場 ヨーロッパの感覚が入ってくると、さらに面白いことができるかもしれませんね。