大手4社が全力投球
緑茶を制す者が清涼飲料市場を制す

 緑茶は清涼飲料全体の14%を占める巨大市場だが、11年から毎年出荷量を伸ばし続けている市場でもある。無糖飲料のブームや健康志向などの追い風も受け、金額ベースでも19年はこれまで過去最高だった05年の4475億円を14年ぶりに上回るとみられている。

 だが、緑茶は他のカテゴリーと異なり、同一市場に飲料大手が4社もしのぎを削る。どの企業にとっても中核商品として経営を左右するボリュームを持つからだ。だが「消費者は複数のブランドを買い回るのが通常で、コーヒー等と比べてもブランドロイヤルティーは低い」(井上元作・日本コカ・コーラ緑茶グループシニアマネージャー)という特徴がある。

 原材料は水と茶葉しかなく、差別化して“浮気性”の消費者の心をつかむためには商品開発や広告宣伝への投資が欠かせない。飲料市場の中でも最も厳しい戦場だ。

 18年末時点では年8990万ケースを売る巨人、伊藤園の「お~いお茶」をトップに、2位5700万ケースの日本コカの「綾鷹」、3位5370万ケースの伊右衛門、そして4位2940万ケースの生茶と続く。2位以下は乱戦模様で、毎年順位は容易に入れ替わる。

 首位の伊藤園は国内総流通量の4分の1の茶葉を調達する原材料調達力と、30年の歴史で築いた高齢者層からの圧倒的な支持で他を寄せ付けない。

 日本コカは18年に「茶葉のあまみ」「ほうじ茶」、トクホの「特選茶」という綾鷹のサブブランドを計3品も追加。女性・高齢者層など、これまで取り切れていなかった顧客層の奪取を狙う。出荷量、金額とも過去最高記録の更新を目前に、市場は過熱する一方だ。19年の初戦である春を迎え、メーカー側は到底「お茶でほっと一息」つけそうにない。