世界最大のブランドコンサルティング会社・インターブランドが毎年発表している「Japan's Best Global Brands」ランキング【2019年版】。世界で活躍している日本企業のブランド力はどのようになっているのかについてお伝えしたい。

 インターブランドは毎年、「Japan's Best Global Brands(JBGB)」と名付けた、日本企業のグローバルにおけるブランド価値ランキングを発表している。

 ランキングの評価対象となる企業の基準は、(1)主要基盤地域以外での売上高比率が30%以上あること、(2)北米・欧州・アジア地域で相応のプレゼンスがあること、(3)財務情報が公表されていること――これら3つによって対象となる企業を選んでいる。

 評価手法は3つ。(1)財務分析から企業が生み出す将来の利益予測はどれぐらいか、(2)利益のうち、ブランドが顧客の購買意思決定にどれくらい貢献したのか、(3)ブランドによって将来の利益を維持できる力はどれくらいあるのか――これらについて企業情報、アナリストの業績予想、インターブランドの過去の価値評価実績データなどを基に分析し、企業のブランド価値を金額で算出して、ランキング化したのが以下に出てくる表だ。

 日本企業のグローバル化は果たして進んでいるのか?今回の順位を踏まえてみていくことにしよう。

1、2位はランキング発表以来
不動の地位を確立

 ベスト5は以下の表のとおり。トヨタ(1位)、ホンダ(2位)は2009年のランキング調査開始以来、不動の地位を確立している。3位に日産が入ったように、自動車勢3強は変わらない。

 自動車勢以外では、ベスト10に、エレクトロニクス関連が4社、金融が1社、アパレルが1社入った。

 インターブランドは「グローバルブランドランキング」の他に、日本企業の国内でのブランド力を比較する「Japan's Best Domestic Brands(JBDB)」も発表している。今回のランクインの特徴としてこれまでJBDBにいた花王が、海外売上高比率30%以上の「グローバル基準」を満たしたため、グローバルブランドのJBGBに移動(今回で8例目*)、14位に登場したことがあげられる。

*過去にはユニクロ、ヤクルト(2015年)、MUFG(2016年)、Tokio Marine(東京海上)、無印良品(2017年)、みずほ、SMBC(2018年)がJBDBからJBGBへ移動している。