いつも「今日の昼ごはんおいしいね」「寒いね」「そうだね」なんて会話ばかりしていても、境界線はなかなか広がらない。ずっと一緒に時間を過ごしていても、信頼関係は最初の頃とさほど変わらない。実は、こんなケースは意外と多いのかもしれないけれど、そこを意識していかないと、時間をかけたわりに信頼関係が育っていないことに気づき、後悔しかねない。

 だからこそ、ちゃんと相手と腹を割って話す意識や覚悟が必要だろう。よりその人のことを知ろうとしたり、その人が多少不快になってしまうことも厭わなかったりする意識や覚悟だ。これって意外と勇気がいる。でも、後できちんとフォローする、謝るといったことを頑張る覚悟も含めて、そのリスクを取ることで、相手との信頼関係が高まる可能性はグッと高くなる。

夜の飲み会に頼らない
濃密なコミュニケーション

 境界線を広げるこうした濃密なコミュニケーションを、これまで日本の大抵の会社は夜の飲み会に頼ってきた。宴もたけなわ、みんなが酔っぱらってワケもわからなくなってきた頃に、「無礼講でいいや、空気を読まないことを聞いちゃえ」というような発言から、本音を拾うことは多かった。

 ただ、時代が変わり、夜の飲み会に参加できない、あるいは参加しない人も増える中で、濃密なコミュニケーションを夜の飲み会に頼ることは難しくなってきている。本当は 参加したいが、子育てなどの事情で参加できない人にとっては、そもそも不公平でしかない。

 だからこれからは、コミュニケーションのための時間を、きちんと仕事で取ることをやっていかなきゃならない。非効率だとしても、チームづくりを目的としてメンバーが平等な機会を持つ、業務時間内に仕事として時間を使うというのが肝だろう。

 ただし、言うは易し。これは身をもって言えることだけれど、なかなか大変なことではある。