たとえばfreeeでは、「1on1」(ワン・オン・ワン)という1対1で面談する機会を設けている。全体的な効率を考えて、仕事のことだけを話し合うのであれば、正直なところチームミーティングをすれば済んでしまう。もちろん、意味があるものについてはチームミーティングもやるわけだけれど、それに加えてさらにワン・オン・ワンをするので、僕もみんなもかなりの時間を使うことになる。単純に効率性だけを考えれば、めちゃくちゃ非効率である。

 それでもやるメリットがあるし、大事なことだと位置づけている。グーグルでもやっているワン・オン・ワンは、仕事だけじゃなくプライベートなこともしっかり話して、しっかり人としてつながることが目的だから。仕事の進捗も話すけれど、何か困っていることがないか、何を目指しているのか、そうしたことを踏み込んで話すようにしている。それこそ家庭が大変で、といったことをずっと話しているときもある。

 freeeには「あえて共有する」という価値基準があるくらいだから、何なら、1人1時間ずつ自分の生い立ちについてみんなの前で話すくらいのことをやった方がいいのかもしれない。これは経営チームの合宿だと実際にやっていることで、むしろ1時間では話が終わらないことがほとんどである。

 けれども、生い立ちやバックグラウンドを話すことが信頼関係につながるとわかっているから、みんな躊躇なく積極的に話す。これは実際にやってみて本当によかったと実感していることだから、freee全体にもフレームワークとして落とし込むことが本当は理想だ。

「あからさまな隅っこ」を
徹底的に効率化しよう

 いずれにしても、こういうことは非効率だからこそ、目的をはっきり意識して取り組むことが重要だと言える。そうじゃなければ、時間もお金もなかなか投資できないし、取り組み自体どんどんなくなってしまう。だからこそ、その企業の方針や本気度がシビアに現れるものだとも感じている。

 強い組織づくりのために、コミュニケーションはショートカットできない。じゃあ、何を削って時間を捻出すればいいのか。

 僕の答えは、「あからさまな隅っこ」を徹底的に効率化するということに尽きる。