無投票当選規定は
大正時代の遺物

 この問題を解決するためには、立候補者が定数を超えなかった時でも、信任投票をして少なくとも法定得票を超えていること、または、最高裁判所裁判官の国民審査のように不信任が一定数を超えないことを明らかにする方法が望ましい。

 これに対して、コストの問題を指摘する人もいる。選挙には多額の費用がかかるから、無投票当選によって、費用が削減されることはよいことだという考えもある。しかし、制度の本来目的の実現を差し置いて、コスト削減を優先してしまってはならない。

 私が無投票当選の問題性を考え始めたのは40年も前だ。しかし現代なら、インターネット投票をはじめ、当時と比べればさまざまなコスト削減策が考えられる。もちろんセキュリティー問題など解決すべきことはあるが、検討を加速させるべきではないだろうか。

 そもそも、公職選挙法において無投票当選が規定されたのは1925(大正14)年5月である。民主主義を実現すべき今日において、その欠陥規定が残ってしまっていること自体、前例踏襲の悪しき顛末だと言わざるを得ないのだ。

 無投票当選の問題の本質は、企業にも共通する。こういった意思決定を良しとする風潮が蔓延すると、組織はその目的を果たせずに機能しなくなったり、崩壊の危機に瀕することになる。日々のビジネスシーンの中で、思い当たる節が多分にあるに違いない。