転機が訪れたのは、10年6月。東京海上日動あんしん生命保険が保険料の試算をオンラインで連携してくれたことだ。次に、オンラインで申し込みできるようにしてくれたのが、あいおい生命保険(現三井住友海上あいおい生命保険)、そして富士生命保険(現FWD富士生命保険)といった具合に次々と連携は拡大していった。

 保険会社がビジネスの核となる商品データなどを、一つの代理店とオンラインで連携するのは簡単なことではない。だが、現在では、保険料が算出できるのが20社以上、オンラインで申し込みできるのは7社となっている。

2年かけて開発した
“非定型”を読み取るすごさ

 そして、さらにシステムは進化を遂げる。AIとOCR(光学式文字読み取り装置)を組み合わせた、保険証券の自動分析システム「証券分析AIシステム」だ。

 冒頭の通り、保険証券は千差万別。それをスマートフォンやタブレットなどのカメラで撮影すれば、保険の内容をビジュアル化した「分析シート」を短時間で簡単に作り出すことができるのだ。

 伸弘が「1年で開発するつもりが2年かかった」というこのシステムのすごさは、“非定型”でもきちんと読み取れること。通常、OCRは決まった場所にある文言しか読み取ることができないが、このシステムは、帳票のどの位置に文言があっても読み取ることができるというわけだ。

 しかも、ディープラーニング(深層学習)技術の活用により、データを読み込めば読み込むほど、その精度はアップすることになる。