2009年3月の「谷」(景気が底になった)のは、リーマンショックによるものであり、2012年11月の「谷」(同)は、東日本大震災もあったが、円高に十分、対応できなかった民主党政権の愚策の結果だろう。

 こう考えてみると、今回の2012年11月以降の「戦後最長」とされる景気拡大局面の“実態”は、2014年5月が消費増税による景気後退で「山」、その後、2016年5月あたりが「谷」となって、2017年12月あたりがまた「山」となり、現時点では下降中と考えるのが自然だろう。

 この間の景気に影響したのは、中国経済の要因は確かにあるが、景気は2017年12月あたりがピークでそれ以降、下降している。これは、2016年9月のイールドカーブコントロール導入による金融引き締めの結果とも読める。

 それに最近の中国経済の成長減速要因が加味されたとみるほうがいいだろう。

 国内要因で景気が落ち目になった時の外的ショックは、下り坂で押されるのと同じで、大きく景気が落ち込む悪影響になるので要注意だ。

 こうしたことを考えると、今後の景気の大きな落ち込みを避ける処方箋は、今年10月の消費増税を当然、やってはいけないとなる。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)