温水洗浄便座「トワレ」中国家電博で展示されたパナソニックの温水洗浄便座「トワレ」

 白物家電、美容家電などが並んだパナの展示スペースはパナ史上過去最大で、中国外企業の展示スペースとしても今回最大。例えば日本でも人気の美容家電「ナノケアドライヤー」は中国独自の温度設定機能を備えた新製品を展示した。尿から健康データを測定できる温水洗浄便座「トワレ」は、健康データが自動的に洗面台のデジタルミラーに表示される新機能を紹介した。

 創業者・松下幸之助と鄧小平副首相(当時)の縁もあって、パナの中国事業は1987年、スタートした。中高級家電としての一定の認知度はあるものの、中国・韓国の家電メーカーの存在感が大きく、中国での家電シェアは2%だという。

まずは家電・住宅設備で1兆円

 冒頭のプレスカンファレンスに話を戻そう。

 中国事業に関し、本間社長が強調したのは家電とくらし空間(住宅設備)の融合だ。実際に今回の家電博でも、家電単品ではなく、住宅設備と融合した展示の割合が大幅に増えた。

 この融合は日本では「家電系と住宅設備系の販売ルートの社内バッティングがあり、実はうまくいっていない」とパナ関係者。だが、これから販売ルートを整えていく中国では成功する可能性を秘めている。

 本間社長は、「世界で最も進んだ製品、サービスが根付く土壌がある」と中国を持ち上げる。中国でIoT家電などの手応えをつかみ、日本はもちろん、世界に広げるという戦略を描いているようだ。

「中国で勝てないとパナの将来はない」と津賀一宏パナ社長兼CEOは発破をかける。中国・北東アジア社が担当する家電や住宅設備の分野で現在の売上高は約7000億円だが、まずは3年後に1兆円到達を目指す。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)