日本人は「一生懸命働いているようだが、実際は、なかなか成果を出さない」といった指摘が中国でもされ始めた

 文化大革命の悪夢をもたらした毛沢東時代に決別し、新しい国作りの道を歩み始めた中国の改革・開放路線は1978年から始まったものだ。当時の中国では、窓を開けて外の世界を見ようというスローガンが流行っていた。ドアを開けて外国を受け入れる勇気も心の準備もできていなかった時代だったのだ。

 その頃の中国にとっては、その外の世界は西側の国々だった。日本は中国に一番近い「西側の国」として、中国国民から長い間仰ぎ見られていた。戦後の廃墟から日本を世界2位の経済大国にまで復興した世代の日本人と日本企業に畏怖の念を抱いている中国人が多い。今の60代や50代の中国人には、この傾向が特に顕著だ。

 しかし、それ以降の世代になると、かなり違ってくる。インターネット時代を迎えてから、日本の企業文化や社会事情に関する情報が非常に入手しやすくなり、その分、日本企業を見る目もかなり厳しくなってきた。

激しく体を動かすが
決して前進しない踊りのよう

 例えば、最近、私は日本の中国語メディアに、日本の会社員の習性を取り上げて批判した記事を載せた。これらの日本人は「一生懸命働いているようだが、実際は『〓秧歌』(〓は扌に丑:ニウヤンコー)と同じだ。まったく前進はしない」と批判した。

「〓秧歌」とは、田植えに起源が求められる歌踊りで、中国の北方では広く親しまれている。その特徴は激しく体を動かすが、前方へ進むように移動することはほとんどないということだ。忙しそうに働いているが、なかなか成果を出さない日本人社員を私は「〓秧歌社員」と名付けて批判している。こうした「〓秧歌社員」を量産している日本企業と企業文化に対しても、砲火を浴びせた。