具体的には、PBRの東証1部平均の1.2倍前後、東証2部の平均0.9倍前後を下回る0.8倍未満の企業を対象に、過去5期のFCFの累計額を求め、3月8日時点の時価総額に対する比率を算出した。配当利回りの場合と同様、今期の予想増益率10%以上に対象を絞った上で、FCF累計額の時価総額に対する比率の高い順に並べたのが下表だ。
トップの井筒屋は、北九州を地盤とする老舗の百貨店。不採算店舗の閉店による特別損失計上により19年2月期は最終損益が赤字になる見込みだ。しかし、閉店セールが好調で、経常利益は前期比24.8%増の7億円となる見通し。FCFの過去5期合計は時価総額の3.50倍。来期以降、特別損失が縮小すれば自己資本の減少は避けられるだろう。
次の大和も北陸地盤の老舗百貨店だ。19年2月期の経常利益は前期比5割強の増加となったもようで、FCFの過去5期累計額は時価総額の2.78倍。PBRの0.37倍からすると、少なくとも下値不安は小さいといえる。