FCFを稼いでいる
低PBR銘柄に着目せよ
次に、PBR(株価純資産倍率)に目を付けたリストも作成してみた。
PBRは株価を1株当たり純資産で割った値で、PER(株価収益率)と並んで株価の割高、割安を判定する指標だ。
純資産(自己資本)とは会社を解散し、保有している資産をバランスシートに計上されている価格で売り払い、債務を全て返済したとして残る財産のこと。PBRが1倍より低いということは、バランスシートの評価が正しければ、市場がその会社を過小評価している、つまり割安というわけだ。
一方、その会社が保有している資産がバランスシートに計上された価格を下回る価値しかないか、将来その会社が赤字を出すなどして純資産を減少させると市場が評価しているとも取れる。
故に、その会社に稼ぐ力があれば、PBRの低さをもって割安であると解釈することができる。そこで今回、時価総額に対するフリーキャッシュフロー(FCF、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計額)の過去5期の累計額の比率を見てみた。
FCFとは収益力を示す指標の一つ。企業が自由に使えるお金であり、事業価値を算出するに当たっても用いられる指標だ。時価総額に対するFCF累計額の比率が高ければ、収益によって裏打ちされている比率が大きいことになり、その分、1倍を切るPBRの低さを割安の指標として受け取ることができる。