これらの企業は収益力が高い上に、株主還元を重視している企業群である。「13年以降、ROEが高い自社株買い実施企業は相対的にリターンが高い傾向がある」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)という。

 こうした銘柄であれば、HFTやアルゴリズム取引の対象であったとしても、中長期で保有すれば株主還元を含めたリターンを得ることができるだろう。

国内外の年金が保有する銘柄を
参考にするのも一計

 機関投資家で最も中長期の視点で投資をしているものといえば、年金である。

 本誌に掲載した宮島秀直・パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ・チーフ・ストラテジストのコラムにあるように、内外の年金が一致して買っている銘柄はやはり、上昇を続けている。

 主要国では、一定比率以上を保有している株式については、当局に届け出る必要があり、そうしたデータを追うことで年金の株式の売買動向を把握することができる。とはいえ、個人投資家にそこまで時間をかける余裕はないかもしれない。ただ、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は年度末の保有銘柄を開示。海外の年金投資家にも保有銘柄を定期的に開示しているところがある。

 刻一刻と変化する銘柄を全て捉えることは困難だが、定期的に公表される保有銘柄リストを見て、自らの保有銘柄と同じものがあれば、その保有状況の変化をチェックするなどして、投資の参考にすることはできるだろう。