今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

1980年代の中古マンションには、<br />どんな特徴があるのか?写真はイメージです

センターイン型は、今でも人気の間取り

 1981年に建築基準法で「新耐震基準」が導入され、構造的によりしっかりとした建物ができるようになりました。

 また、今までのマンションは部屋数が重要視されていましたが、住むという視点から、生活動線などに配慮した間取りが出てきたのもこの頃です。

 たとえば、玄関を住戸の真ん中に配置(センターイン)することによって、南と北の両方のバルコニーが実現するセンターイン型があります。

 

センターイン型とは

 

 この間取りは、北側の洋室が外廊下に面していないため、プライバシーも守ることができます。

 また、寝室などのプライベートエリアとリビングのパブリックエリアが機能的にわかれ、今でもとても人気の間取りです。

 この年代は、民間で大規模再開発が増加し、今でも大人気のヴィンテージマンションが建築された年代です。たとえば、ヴィンテージマンションの代表ともいえる「広尾ガーデンヒルズ」は1982年築です。

 この頃から、マンションは一戸建てを購入するための仮住まいではなく、永住意識がでてきました。