「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

70~80m²に比べ、60m²は価格が手ごろで、売ることや貸すことになったときでも、“守備範囲が広い”ので「売りやすく、貸しやすい」のです。

入居を希望する人たちは「夫婦2人」から「子ども1人の夫婦」に加え、「夫婦と小さな子ども2人」、「シニア」、「1人暮らし」、「兄弟姉妹」、「母子または父子家庭」などと、非常に幅広いのです。自ら住む層だけではなく、「不動産投資」や「相続税対策」などの需要もあります。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

「2001年以降完成」のマンションを買うべし!

 「新築にこだわらない場合、築何年くらいまでの中古マンションにしたらよいでしょうか?」という質問もよく受けます。

 築年数は浅く、かつ価格が安くて、立地のよい物件が見つかればよいのですが、なかなかそうはいきません。

 築年数については、私は「2001年から現在までに完成した物件」の中から探すことをおすすめしています。

 公益財団法人東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2017年)」の「築年帯別構成比率」によると、「築5年以内」の新規登録物件は中古物件全体の8.3%しかありません。しかし「築10年以内」になると21.9%になり、「築15年以内」になると35.1%、「築20年以内」になると全体の46.7%とおおよそ半分近くの割合になります。

 新築や築5年以内などに限定して探すより、条件を緩めたほうが物件探しに幅が生まれ、より立地を重視した探し方ができます。

 ではなぜ、「2001年以降完成」の物件をおすすめしているのか。理由は4つあります。

【理由1】「品確法」が施行された後の物件だから

「消費者が安心して良質な住宅を取得できるように」という目的から、「瑕疵担保期間の10年義務化」および、「住宅性能表示制度」の2点が盛り込まれた「住宅の品質確保の促進等に関する法律(いわゆる「品確法」)」が施行されたのが2000年4月です。

 この品確法で、新築住宅においては、基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)について、10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられました。この10年間の瑕疵担保責任の義務化は、中古住宅は対象ではなく、新築住宅に対してのみですが、引き渡し後10年間、建物に何らかの瑕疵(工事の不備や欠陥など)が見つかった場合、無償で補修などをしなくてはならなくなりました。そのため、新築マンションの売主であるデベロッパーも建物に責任を持たなければいけなくなり、結果、住宅の基本性能が高まりました。

 また、構造耐力、遮音性、省エネルギー性などの住宅の性能を明らかにして、事前に比較できるように「住宅性能表示制度」も創設され、客観的にその性能が達成された住宅かどうかを知る手段が明確になりました。住宅性能表示制度においては「耐震等級」が設けられ、地震に対してどのくらいまで耐えられるかを数値で比較することも可能となったのです。

 住宅性能表示制度は任意の制度ですが、法律施行直後の2001年頃からの完成物件は、「住宅性能表示」制度を意識して、「耐震等級」や「劣化対策等級(構造躯体等)」などの耐震、省エネルギー、遮音性などを向上させた物件が比較的多く出ています。

 住宅性能評価書を取得している住宅の場合、性能を比較することが簡単になるだけではなく、地震保険を利用する際にも割引があり、有利になります。