電脳か官製かPhoto:iStock/gettyimages

『週刊ダイヤモンド』3月30日号の第1特集は「株・為替の新格言」です。昨年10、12月の株価急落に、年明け早々の外国為替市場の短時間の急変動。主犯として機械取引が挙げられますが、中央銀行による相場への影響も大きいものとなっています。高頻度な取引を繰り返すHFTに加えて、高度な数式モデルを駆使して運用するヘッジファンド。その実態に迫りました。(本記事は特集からの抜粋です)

「30年以上にわたり運用業界にいるが、クリスマスにこれほど相場が動いたのは初めて。衝撃だった」

 そう話すのは、富国生命投資顧問の林宏明常務取締役だ。昨年の株式相場は長らく続いたゴルディロックス(適温)相場から一転、2月のVIXショックや10、12月に相次いで起こった株価の暴落など、冷や水を浴びせられた。

 とりわけ12月は、クリスマスの12月25日にダウ工業株30種平均が約653ドル下落。それにつられて日経平均株価は約1000円もの大暴落となり、市場関係者を凍り付かせた。

 従来、米国での12月の相場といえば節税対策のために株式を売却することから株安傾向となるものの、株価は大きく動かない(年末から上昇する)というのが、市場の「アノマリー」(明確な根拠はないが、よく当たる相場における経験則)だ。とりわけ、クリスマスは市場関係者が休暇を取るため、「動かない相場だった」(林氏)。