『週刊ダイヤモンド』3月30日号の第1特集は「株・為替の新格言」です。高速化と高度化が著しい機械取引に加え、官製相場といえる中にあって個人投資家や富裕層はどのようにして投資に向き合えばよいでしょうか。市場のゆがみのさや取りやニュースへの株価の反応で競っても個人は機械に勝てません。機械の行かない道にこそチャンスがあります。(本記事は特集からの抜粋です)
これまで見てきたように、株式市場はHFT(高頻度取引業者)やアルゴリズムによる機械取引が大半となったことで、人間が考えて売買しても同じ土俵では太刀打ちできないことがほとんどだ。
では、個人投資家はどうすればいいのか。
HFT、アルゴリズム取引などが対象とするのは、流動性が潤沢な銘柄だ。つまり、発行済み株式数が多くて売買高が膨らみ、売りたいときに売れて、買いたいときに買える銘柄だ。そうでなければ、保有している銘柄のリスク(価格の上下の変動量)を即座に増減させることができないからだ。
個人投資家が現在の市場で生き残る方法としては、まず機械取引が対象としない銘柄に投資することが挙げられる。これも格言の一つだが、「人の行く裏に道あり花の山」である。流動性が小さい銘柄に目を付けるというわけだ。