──今や、振り込め詐欺グループと暴力団は一体と考えていいと。

 というか、振り込め詐欺をはじめとする、いわゆる特殊詐欺の歴史をひもとけばわかることなんですが、もともとがヤクザの利権なんですよ。

──どういうことでしょうか。

 90年代から2000年代前半にかけて、猛威をふるった大手ヤミ金グループを取り仕切っていたのが山口組系の組織でした。警察の締め付けによってこれが廃れると、関係者の多くが今度は「架空請求」という詐欺に手を染めるようになった。これが特殊詐欺の源流です。

 ヤミ金も架空請求もヤクザのシノギの1つであり、そこから派生した「オレオレ詐欺」など特殊詐欺の数々も、当然ヤクザの利権ということになります。1つ言えるのは、江東区のアポ電強盗事件を見てもわかるように、年々彼らの手口は凶悪化し、収奪性が高くなっているということ。背景にあるのは、暴力団排除の流れで食えなくなったヤクザたちの焦りです。

ゴーン事件の本質は
狡猾な「ネコババ」

──なるほど。これは暴力団の犯罪ではありませんが、先日保釈されたカルロス・ゴーン被告の事件を、菅原さんはこれまで非常に悪質なものであると断罪しています。しかし、ゴーン事件とは何だったのか、一般の人々はいまひとつ理解できていないように思われます。改めて小学生でもわかるように説明していただけますか。

 一番わかりやすく言えば、“ネコババ”ですわ。ゴーン被告が狡猾だったのは、会社のカネを直接懐に入れたらバレやすいので、あちこち迂回させて、最終的に自分に戻すというやり方。しかもそのやり方が相当に悪質だった。