米中両国が3日から再開した貿易協議では、中国側の合意履行を確実にするためトランプ政権が求めている制裁関税の維持が最大の障害の一つに浮上している。両政府の交渉担当者はドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が署名できる合意文書をまとめようとしているが、仮に合意できなければ金融市場への影響は大きいとみられるほか、世界の二大経済国のさらなる関係緊迫化が予測されるなど、双方にとって重要な話し合いとなる。国家経済会議(NEC)のローレンス・クドロー委員長によれば、協議は数日間にわたって続けられる見通し。中国代表団を率いる劉鶴副首相(経済担当)は4日にトランプ大統領と大統領執務室で会談する予定になっている。交渉の成り行きを注視する人々によれば、劉氏は大幅な譲歩をするには政府や中国共産党上層部から承認を得なければならず、通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表も同様にトランプ氏の承認を取り付ける必要があるため、今回の協議で最終合意に至る可能性は低い。
米中貿易協議、関税撤廃めぐる双方の思惑が障害に
トランプ政権は中国側の合意履行を確実にするため制裁関税を維持したい意向
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