グーグルと袂分かちライバル陣営に参加
したたかなゼンリン

 一方、対抗馬も頭角を現している。米マイクロソフトやフェイスブック、日立製作所やトヨタ自動車、ソフトバンクグループなどの日本企業、それにエアビーアンドビー、ウーバー、テスラなどの米テック企業――これらの企業がある共通項でつながりつつある。

 オープンストリートマップ(OSM)。ユーザーが地図作りを行う世界的なプロジェクトで、いわば“地図のウィキペディア”だ。04年から英国で始まったものだが、このデータを利用する企業数はすでに数百社に上る。

 地図をベースにした位置情報やナビゲーションなどのサービスは、今後の自動運転やMaaS(移動サービス)の根幹であり、戦略上これをグーグルに握られたくない企業が急増しているのだ。

 このOSMを基盤に地図サービスを提供する企業として、急速に力を付けているのが、米マップボックスだ。テスラのナビゲーションシステムを担当し、17年にはソフトバンクグループが約180億円を出資。さらに、ソフトバンクグループがトヨタ自動車と共同で立ち上げる次世代MaaSにもその技術が使われるとみられている。

 実は、一見グーグルから“切られた”ゼンリンは、ほぼ同じタイミングでマップボックスと提携した。ゼンリンは、トヨタ自動車などが出資するダイナミックマップ基盤にも参加し、米ゼネラル・モーターズ系地図企業の買収にも動いている。

 盤石に見えたグーグルマップ1強という“地図”は、実は流動的だ。その覇権を握る勝者は、いまだ見えない。