筆者のベッド脇のテーブルの下にはぞっとする生き物が住み着いており、まるで触手のようなコードが伸びている。1つは「iPhone(アイフォーン)」用、1つは「Apple Watch(アップルウオッチ)」用、1つはワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッズ)」用、1つはアマゾンの「Kindle(キンドル)」用、1つは「MacBook(マックブック)」用だ。筆者が眠りに落ちる瞬間、この生き物が筆者をつかんで闇に引きずり込もうとする。そこにアップルのワイヤレス充電パッド「AirPower(エアパワー)」が登場、コードの束を一刀両断にして筆者を救い出す――。少なくとも夢はそんなふうに終わるはずだった。アップルは3月末、大幅に遅れていたワイヤレス充電パッドの発売計画を中止すると発表した。同社の高い水準をクリアできなかったという。「発売を楽しみにしていた皆様に謝罪する」。アップルのハードウエア開発担当シニアバイスプレジデント、ダン・リッチオ氏はメール配信した声明の中でこう述べた。
アップルも断念、ワイヤレス同時充電はまだ夢
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