30代でも40代でも50代でも、
人生は選び直せる
――本書『苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」』は、どんな人に読んで欲しいですか。
森岡 この本の原稿は、実は就活を迎える私の娘のために書いたものです。社会に出ようとする娘にキャリアについて私のいろんなパースペクティブを伝えたかったんですけど、話し合いではなかなかお互い冷静になれないので文字に落としたんです。元々は本にするつもりなんてなかったのですけど、すごくアグレッシブな編集者の方が出版することを強く薦めてくださいまして、世の中に出ることになりました。今言ったようなノウハウが就活生であった私の娘にわかるように書いてあります。そのなかで一番私が伝えたかったのは、キャリアというのは、自分の特徴が強みとして活きる文脈を見つけて行くこと、その勝ち筋を見つけて行くことがキャリアなんだということですね。
自分が不得意なところがあったとしても、得意な領域が活きる、混在しているのであれば、総合的にその道を正解にすることすらできるので、むしろそんなに失敗はないんですね。大事なのは、好きなことを見つけて行くということ。そのために自分の特徴をちゃんと理解すること。問題は実は自分の外にあるんじゃなくて、自分の内側にあるということを、これから就職する人だけじゃなくて、むしろこれからの自分のキャリアを考えている人、もう自分は、30代だし、40代だし、50代だしって思っている人もいると思うんですけど、遅すぎることなんて全然ないです。まだ人生終わってないじゃないですか。今選べていないんだったら、選び直すことを選べば良いのです。一回しかない人生で悔いを残すべきじゃないと思いますね。
全ては自分の内側から始まる。自分の強みを知る方法、これにはノウハウがあります。自分の強みをどうやって磨いていくか、どうやって強くしていくかにはノウハウがあって、その強みをどうやって自分自身の社会的な信用に変えていくのかは、マーケティングのノウハウがそのまま活かせるんです。自分の特徴を周りから素晴らしいと思ってもらうというのは、まさに自分自身を「ブランド」にしていくノウハウです。そういったノウハウを1冊にまとめました。就活生というよりも、たぶん社会人全般に役立ていただけると思います。