今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

 

8%のマンションが、いまだ長期修繕計画を作成していない

 マンションの資産価値を維持するために必要なのが「長期修繕計画」です。

 しかし、最新の調査結果「平成25年度のマンション総合調査」によると、8%のマンションが、いまだ長期修繕計画を作成していない状況にあります。

 中古マンションを購入する際には、そもそも「長期修繕計画書があるか、ないか」は、必ず確認しておきたいポイントです。

 長期修繕計画がないようなマンションでは、行き当たりばったりに工事を行ったり、根拠がない金額を修繕積立金として徴収されたり、急な一時金請求を求められたりする可能性があるからです。

 管理組合がうまく機能していない場合も多く、住んでからのトラブルが大いに懸念されます。

 大規模修繕工事は、おおよそ10~12年に1度実施します。これには多額の費用がかかります。

 その費用を、そのつど徴収していたのでは、個々の生活に影響するだけでなく、未納などにより費用の不足が発生し、必要な時期に必要な修繕ができない恐れがあります。

 そのため、管理費とは別に、大規模修繕工事に備えて区分所有者から毎月一定額を徴収して、積み立てる仕組みが一般的に採用されています。これを「修繕積立金」といいます。

 この修繕積立金は、長期修繕計画が算定数字の根拠になっています。つまり、長期修繕計画書がないマンションでは、修繕積立金が適切に徴収されているかも疑問です。

 長期修繕計画書は、一度作成されたら終わりではなく、修繕計画の見直しに合わせて、必要な費用が確保できるよう定期的に見直し(おおよそ5年程度)を行うものです。

 その際には、修繕積立金の見直しもあわせて行われることが一般的です(段階的値上げを想定。均等積立方式を除く)。

 購入予定のマンションで、このような見直しが定期的に行われているかどうか、必ず確認しましょう。