GAFAに象徴される多国籍IT企業への課税強化を狙ったOECDやEU委員会の取り組みが具体化の段階に入ってきた。
12日開幕した20ヵ国・地域の財務相・中央銀行総裁会議でも主要テーマの一つだが、EUが導入を目指した「デジタル税」は3月12日の閣僚理事会で、全会一致の賛成が得られず、「見送り」となった。
デジタル経済化のもとで、従来の税制が想定していなかった新たなビジネスモデルが生まれ、地球規模で活動するなか、国家はどういう形で税収を確保すればいいのか。
政府vs巨大IT企業の攻防だけでなく、国家間の利益の分配にかかわるだけに、一筋縄ではいかない難しさがある。
デジタル経済に対応できない税制
ネット経由で国境超えたサービス
アマゾンやグーグルをはじめとするグローバルIT企業に相応の課税ができていないのではないか、という議論が活発になったのは、1990年代の終わりごろからだ。