【鈴木美穂さんからのメッセージ】
10年前、こんなふうに考えられたらもっと楽だった、
知っていればもっと心強かった……
という、過去の自分に宛てたメッセージでもあります
改めて。わたしは鈴木美穂と申します。日本テレビで記者として、キャスターとして、2018年まで約13年間勤務しました。そして2016年からは、マギーズ東京というがん患者や家族のための無料相談支援施設を運営しています。
2008年5月、24歳で、がんのことをなにも知らずに、がんになりました。日本テレビで働き始めて3年目、仕事にも慣れ、さあこれからという時期に、まさに青天の霹靂でした。仕事だって辞めなければならないだろうし、結婚もできないまま死んでいくんだ……と悲しみのどん底に突き落とされました。その後の闘病生活では何度も心が折れそうになり、「なんで自分だけが」と泣いてばかりいました。
がんにならなければ、その存在を知ることも、携わることもなかっただろう「マギーズセンター」。 がんにならなければ、出会うことがなかった大切な仲間たち。愛する人。 そして、がんになったからこそ気づいたこと、学んだこともたくさんありました。
がんになりたくてなる人はいないと思います。身体的にも精神的にも負担は大きいし、本人だけでなく、家族や近しい人にとっても、ときにつらく悲しい思いをさせる病気です。
わたしも24歳という若さでがんと向き合わざるを得なくなってから、何度となくがんを恨みました。ただ一方で、今のわたしの生き方や、今のわたしを形づくっているのも、間違いなくがんの影響によるところが大きいのです。
がんにならなければ、子どものころからずっと憧れ、目指してきたテレビ局を辞めるなんて、きっと考えもしなかったと思います。がんがわたしの視野を広げ、新たな可能性を示してくれたとも感じています。
人は皆、なにがあっても、「この自分」「このわたし」で生きていかなければなりません。 当たり前のことではありますが、どんな傷を負っても、どんなに自分のことが嫌いになっても、「わたし」を誰かに代わってもらうことはできない。この世に生きる限り、「わたし」を生き抜いていかないといけない。そのためにも、どんなことにも意味がある、と捉えられたら。そんな思いから、この本を書きました。
本書では、がんを宣告された2008年5月に遡り、2019年の現在に至るまでの約10年間の記録を、その時々の気づき、思い、学びとともに紹介しています。
10年前、こんなふうに考えられたらもっと楽だった、知っていればもっと心強かった……という、過去の自分に宛てたメッセージでもあります。
わたしはまだまだ未熟な人間ですが、これまでの経験を通して伝えられることがきっとあるはず。この本が、ほんの少しでも、手にとってくださった方の支えになれたら、これほどうれしいことはありません。
(本書「はじめに」より)
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ 】
『もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと』
鈴木美穂 著 ダイヤモンド社
【目次】(一部抜粋)
◎小さな違和感も残さないほうがいい
◎死を想うと、自分にとって大切なことが分かる
◎医療の「情報」と「選択」は、命に影響する
◎決断するときには「納得感」を優先する
◎失ったものを憂うより、あるものを大切に
◎世界がどう見えるかは、すべて自分の解釈次第
◎どん底のときにもそばにいてくれる人は一生もの
◎暗闇でしか見つけられないものもある
◎頑張れないときには、時が経つのを待つだけでいい
◎どんな経験も、価値に変えることができる
◎出会いは、その準備ができたときにやってくる
◎「最後かもしれない」と思うと世界が愛おしくなる
◎自分の過去を引き受ける
◎具体的に想像できる夢は、実現できる
◎試練は、それを経験した人にご褒美をくれる
◎遠回りしたほうが遠くまでいけることもある
◎平らになった右胸の傷は、「プラマイプラス」
◎すべての人のためになることはできないと割り切る
◎自分の物語をどう完成したいか、意識する
◎大きな「軸」を持って生きる
ご購入はこちらから!→[Amazon.co.jp][紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス ]
『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』
石山アンジュ 著 クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
シェアリングエコノミーの専門家による、 今すぐ始められるシェアライ
石山アンジュ 著 クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
フ実践入門書!
近年、見聞きすることが多くなってきた「シェア」というキーワード。
たくさんのモノであふれる社会や生活の中から、「必要なだけあれば十分だ」「家も、仕事も、子育ても、誰かとシェア(共有)すればいい」という価値観が生まれ、支持されるようになってきた。あらゆるモノ・コトをシェアしながら生きていく「シェアライフ」的生き方へのパラダイムシフトが既に始まっているのだ。
さらに、シェアはライフスタイルだけでなく、社会そのものを根本的に変革する可能性を秘めている。
この「シェア」こそ、これからの時代を幸せに生きていくために、誰にとっても欠かせないキーワードになっていくはずだ。
「新しい社会の新しい生き方」がこの一冊でわかる!
◎シェアリングエコノミー(共感経済・共有経済)とは?
◎働き方・子育て・教育・住まいetc…人生100年時代の「幸せ」な生き方とは?
◎地方創生・オリンピック・防災etc…新しい社会を支えるしくみとは?
ご購入はこちらから!→[Amazon.co.jp][紀伊國屋書店BookWeb][楽天ブックス ]
【マギーズ東京】
「マギーズ東京」は、がんになった人やその家族・友人など、がんに影響を受けたすべてのひとがいつでも気軽に訪れ、ゆっくりお茶を飲んだり、治療や日々の生活などについて相談したりすることができる場所。
1996年に英国で生まれた無料相談支援施設「マギーズキャンサーケアリングセンター(マギーズセンター)」の初めての日本版で、2016年に東京・豊洲にオープンしました。
「マギーズ東京」
〒135-0061 東京都江東区豊洲6-4-18
TEL:03-3520-9913
FAX:03-3520-9914
開館時間 月曜日〜金曜日
(午前10時〜午後4時まで)
*『もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと』の著者印税収入の全額は「認定NPO法人マギーズ東京」に寄付されます。