毛沢東の肖像画Photo:iStock/gettyimages

習近平が示した
3つのポイント

「進路問題こそ党の事業の盛衰に関わる第一義的な問題である。進路こそが党の生命線なのだ」

 前回コラム(習近平が「中国の特色ある社会主義」を魯迅の言葉で解説した理由)でも扱った、党機関紙『求是』に寄稿された一本の論考にて、習近平共産党総書記はこう主張した。その進路とは“中国の特色ある社会主義”であり、「改革開放の歴史における新たな時期に、新中国が社会主義の基本制度を構築し、それから20年以上に渡る建設の基礎の上に立って開拓されたものである」。

 習近平政権が発足して以来しばしば議論される、改革開放前と後の歴史の関係性に関する記述である。この問題を考える上で、習近平は3つのポイントを把握する必要があると述べている。

「まず、1978年我々の党が断固として改革開放の実行を決定、推進し、この正しい方向性を掌握していなければ、社会主義中国は今日のような素晴らしい局面を迎えることは不可能であったはずだ。ソ連や東欧国家のように、亡党亡国の危機に直面していたかもしれないということである。