――筆者のピーター・ランダースはWSJ東京支局長 ***  5月1日、日本の新天皇が即位する。皇太子徳仁親王が菊の玉座に就き、戦後の日本国憲法の下、「国の象徴」となる。同時に受け継ぐ剣や勾玉(まがたま)や御璽(ぎょじ)がもたらすのは儀式的な力だけだ。  日本社会における新天皇の影響力も静かなものになる。徳仁親王の祖父に当たる昭和時代の裕仁天皇は、1945年に日本が戦争に敗れ占領下に置かれるまで、本当の政治・軍事的権限を行使していた。徳仁親王の父親の明仁天皇は儀式的な地位を引き継いだにすぎないが、平和主義と米国が作った戦後憲法への献身を明確に打ち出してきた。