4月の米雇用統計は堅調な内容となり、米連邦準備制度理事会(FRB)は年内の利上げも利下げも示唆しない姿勢を固めることができそうだ。就業者数は過去3カ月で月間平均16万9000人増加し、雇用市場が好調に推移していることが示された。昨年終盤には世界的な景気減速懸念を背景に米株式相場が急落し、米経済を巡る懸念が強まっていた。FRBは1月、市場の動揺を受けて利上げを継続する計画を棚上げにした結果、市場は持ち直した。FRBはさらに、金利を変更するにあたり経済指標を「忍耐強く」評価すると表明。それはこれまでのところ、市場に好ましい影響を与えている。4月の失業率は3.6%に低下し、1969年以来の低水準となった。その一因は求職者数の減少にあり、これまでの流れが反転した格好だ。やむなくパートタイム職に就いている労働者も含めた広義の失業率は横ばいとなった。
力強い米雇用統計、FRBの様子見スタンスを後押し
有料会員限定
あなたにおすすめ