りゅうちぇる写真:西村尚己/アフロ

「男らしさ」「女らしさ」なんて言葉は平成に置いていきたい――。そんな価値観を積極的に発信していくタレント・りゅうちぇるは今、絶大な支持を得ている。支持層には若年層や女性が多いように感じるが、それでは、この連載の執筆者などアラフォー男性の目から見たりゅうちぇるはどうなのだろう?脅威なのか、リーダーなのか、憎むべき相手なのか……?(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

忘れていたもやっとした思い
今、改めてりゅうちぇるについて考える

 編集部から興味深い企画が上がってきたのでこの機会に取材を試みた。議題は「アラフォー男性はりゅうちぇるをどう思っているか?」である。彼は平成終盤に登場したアイコン的存在といってよく、時代の趨勢や変遷を占う上で大きな参考となるキャラクターであるから、彼のふた回り上のアラフォー世代がどう感じているかを知ることは個人的に面白そうだと思った次第である。

 りゅうちぇる氏は相当な売れっ子で、またキャラも立っているので知らない人は少ないであろうが一応ざっくりとした説明をしておくと、「女性的ともいえるキレイなメイクをしている男性タレント」。ちなみにウィキペディアによると、りゅうちぇるのようなキャラを表す言葉として「ジェンダーレス男子」なる言い回しもあるらしい。

 そもそも編集部では「アラフォー男性にとって、古い価値観をガンガン壊していくりゅうちぇるは脅威なのか、リーダーなのか、憎むべき相手なのか、特に関心を引かないのか、どうなのかが気になる」とのことらしかった。

 バリバリアラフォーど真ん中の筆者もこの取材対象に含まれているわけだが、まず公平を期すために自身の立ち位置を明確にしておきたい。筆者のりゅうちぇる氏に対する印象は「詳しくは知らないが、なんだか相当切れ者っぽい青年」である。

 普段ほぼまったくといっていいほどテレビを見ないため、彼に対する知識はほぼ持ち合わせていないといってよく、メディアでたまたま見かけた姿でかような印象を持つに至った。特に好感も不快感も抱いていないつもりであったが、「若い子が勢いを出して頑張っているなあ、すごいなぁ」と見ていたから、どちらかというと応援するような、“好感”寄りの気持ちであったかもしれない。