男性が結婚して妻子を持つと、交友関係に影響が出るのかPhoto:PIXTA

結婚したり子どもができたりすることで交友関係が変わりやすいのは、どちらかというと女性だ。言うまでもなく、いまだに「母親ならば自分の交友関係より家庭を優先させて当たり前」という古い社会通念が幅を利かせているからであり、父親の場合は「仕事があるから」といった理由で母親よりもこの束縛はゆるい。しかし、社会は徐々に変わりつつある。「イクメンが増えた」といわれる最近では、父親たちは父親になったことで交友関係が多少変化したりするものなのだろうか。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)

同じ属性で仲良くする傾向
男性はどうか

「女性の交際範囲は同じ属性の人中心に形成される」という一般論があるそうで、これを聞いてなるほどと感じた。

 ここでいう属性とは既婚未婚や、子どもの有無で決定されるものである。“独身”や“ママ友”といった属性の女性が同属の女性と連れ立ってランチに出かける光景は容易に思い浮かべることができるが、独身で遊びまくっている女性と2児の母が頻繁につるんでいるのは、どちらかというとレアケースに分類されるはずである。

 考えてみれば当たり前なのだが、既婚未婚で社会との関わり方は変わってくるし、子どもが生まれれば時間の使い方が一変する。それに同じ属性だと悩みを共有しやすい。「いい男がいない」や「子どもが最近ワガママで」といった愚痴を心安く言えるのは相手が同じ立場にいるからで、立場が違うといちいち気遣いが生じる。

 もちろん旧知の仲であれば、長い付き合いの中でお互いの立場が変わってはきても心置きなく近況を報告し合えるのであろうが、それもやはりべったり仲良くというよりは適度な距離感が2人の間にあると考えるのが順当であろう。立場が変わればおのずと付き合い方が変わる。仲が良かった友人と結婚などを境に疎遠になるのはよくある話である。