土壇場で金融庁が
「待った」を掛ける

 一時は、優勢なノジマに対しSBIが攻勢をかけ、一騎打ちの様相を呈していた。ところが、ここで金融庁が待ったを掛ける。事情に詳しい関係者によれば、「最終段階になって、金融システムの安定を気にした金融庁が銀行による支援にこだわりを見せ始めた」というのだ。

 そこで、金融庁が秋波を送っているのが新生銀行。経営破綻後、一時国有化を経て再建したノウハウに加え、消費者金融など個人向け業務に力を入れており、スルガ銀の事業モデルと重なるためだ。

 当初、他の陣営と共同で買収に加わる可能性も探ったが、新生銀行は主導権を握る立場にこだわったために早々に離脱した。だが、金融庁の意向を受けて、改めて単独での買収を検討している模様だ。ただ、15日がタイムリミットだとすると、資産査定にかける時間がわずかで、間に合わない可能性も大きい。

 ノジマもこうした金融庁の意向を気にはしていた。そのため、やはり経営破綻後に再建した銀行の他、大手地方銀行などとの共同買収も視野に入れている。

 ただ、陣営によって、子会社化まで目指した買収なのか、資本提携なのか、それとも業務提携なのかについては濃淡がある。

 というのも、不正の温床となった不動産融資が、貸出金の3分の2近くを占める収益の柱だったからだ。業務停止命令が終了し、業務改善計画を発表した直後から融資を再開する方針だが、過去の規模ほど融資が増えるとは思えない。また、もう一つの柱だった個人向け融資についても金融庁の目が光っていて苦戦が予想され、「収益の大幅な減少は避けられない」(同)。

 合わせて、収益力の毀損や貸出の不良債権額などが固まらない中で、TOB(株式公開買い付け)価格をいくらにするのかについても難しいところだ。

 スルガ銀行は5月15日に決算発表を控えている。それまでに支援先を決定し、新たな再建への道を描くことができるのか。時間は残されていない。