メンバーが「ノー残業デイ」を選ぶ

 そこでおすすめなのが、メンバーそれぞれが特定の曜日(2日以上)を「ノー残業デイ」とする「曜日別ノー残業デイ」です(下図)。「輪番制のノー残業デイ」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。

「ノー残業デイ」で現場に不満がたまる会社は、何を間違えているのか?

 メンバーの意向を反映させつつ、何曜日を「ノー残業デイ」にするかを決める仕組みですので、全社一斉に定時退社を強制する「一斉ノー残業デイ」よりもハードルが低く、メンバーもモチーベション高く取り組んでくれるでしょう。

 導入のステップは次のとおりです。

 まず、前提として、連載第37回でご紹介した「複数担当制」を導入しておくといいでしょう。「メイン担当」が定時退社するときには「サブ担当」がカバーし、「サブ担当」が定時退社するときには「メイン担当」がカバーできるからです。

 また、できれば、「サブ担当」が業務マニュアルを整備しておくと安心です。マニュアルがあれば、「メイン担当」「サブ担当」がともに定時退社したとしても、彼らが「やり残したタスク」を他のメンバーがサポートすることができます。

 そのうえで、メンバー全員が参加する会議などで「曜日別ノー残業デイ」にチャレンジすることを全員で合意します。「とりあえず1ヵ月やってみよう」といった合意でもいいでしょう。

 合意を得られたら、すべてのメンバーが「何曜日に定時退社したいか?」を出し合います。付箋に自分の名前を書いて、あらかじめ曜日が書かれたA3用紙などに貼りつけてもらえば、簡単に整理できます。そして、全体調整をしたうえで、誰が何曜日に定時退社するかを決定するのです。