経費の現金支払いはやってはいけない

 意外かもしれませんが、精算処理が最も手間であり、キャッシュフローの面で良くないと位置付けられるのが経費の現金支払いです。

 これは、仕入代金の支払いでも同様ですが、キャッシュフローの「入金してから支払う」という考え方に合致しません。

 このため、定期的に仕入を行う取引業者とは、現金支払を掛取引に移行する。また、臨時的に発生する細かな経費についてはクレジットカード支払いに移行するといった対応が合理的です。

 やむを得ず、現金支払いが発生してしまうものについては、会社の経理システムを変更し、週に一度や月に一度に経費精算時期をまとめて頂く方法をおススメします。

設備投資と回収の考え方

 設備投資は、多くの業種で発生します。自社オフィスや店舗、工場などのような建物をはじめ、機械装置や車両、備品、ソフトウェアなど、固定資産と呼ばれるものが該当します。

 ここで重要なのは、投資した額に対する回収が行われているかどうかです。

 例えば、機械を購入した場合、その機械を通じて投資額を上回る売上や利益がどの時点で回収できるのか、それを把握することが必要です。

 一方で、投資に対する効果の低い設備投資は、見送ったほうが賢明な判断といえます。

 また、自社のブランディングのために行う設備投資のように、投資に対する効果が測定しづらい設備投資については、自社のキャッシュフローへの影響を考慮したうえで、投資を行うかどうかを慎重に決定する必要があります。

 このように投資に対する効果をしっかりと見極める力も、ビジネスパーソンがキャッシュフローをマネジメントするうえで必須といえます。