奥村組関係者は「定期のミーティング以外、直近では株主提案は受けていない」と語るものの、昨年11月に5億円超(14万6000株)、今年5月に36億超(100万株)の自社株を取得している。

 これだけではない。6月の株主総会で、中間配当制度の導入まで付議することに決めた。

 奥村組は業界では“保守的な会社”と見られており、一連の変化の裏にアクティビストの指示が想像される。

 関西の中堅ゼネコンの淺沼組もストラテジックキャピタルと投資一任契約を結んでいるファンド、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UPから政策保有株式の売却に係る定款変更と、親会社株主に帰属する利益を100%配当に充てることを提案された。淺沼組は5月23日の取締役会で反対を決定。その理由として、前者は不要な政策保有株はすでに手放しており、発注者の会社の株を買うことで受注に繋がるなど営業上の利益があること、後者は研究開発や従来の建設以外の事業に投資する必要があるとしている。

 都市部の建築工事のラッシュや2020年東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博、リニア新幹線工事など、“わが世の春”を謳歌する建設業界ではあるが、バブル景気後、2000年代は長い不況にあった。談合など負のイメージも根強く、「ゼネコンは自虐的。すぐに謝ってしまうところがある」(ゼネコン業界関係者)。アクティビストの勢いに圧倒されるばかりでなく、健全な経営に必要な提案なのかを自ら精査できるかを問われている。

訂正 記事初出時、第13段落で「昨年9月から11月にかけて48億円超、今年5月に36億超の自社株取得を完了。5月はさらに400万株100億円を上限とする自社株買いを行うこと決めている」とありましたが、時期と株数に誤りがあったため、現状のように修正させていただきました。(2019年5月28日12:30 ダイヤモンド編集部)