「自分と向き合う時間か…。自分には今、独りで考える時間が足りていないかも」と気づき、「そういう時間を持とう」と心がけるのもいいですし、「いや、今は脇目を振らずに突っ走る時期だと思う」と決めるのも自由です。この一拍置く時間があるかないかによって、人生の流れは大きく変わってきます。

 わたしたちの脳は自分で選択し、決めたことについては満足して取り組んでいこうとする性質を持っています。一方で、なんとなく流れに任せてやり始めたことは、継続できずに途切れてしまいがちになります。若い頃は人の作った流れに乗って進む時期があってもいいでしょう。もし、その流れに流されて思い描いたこととは違う結果が出たとしても、それを反省材料にして、取り戻す時間があるからです。

 しかし、50代から先の人生では、時間という資産の貴重度がますます増していきます。「この流れに乗っていいのか?」「違う方向に進んでいないのか?」と一度、立ち止まり、チェックすることで時間をロスするリスクを減らすことができるのです。

50代で確かめておきたい「自分で稼ぐ能力」とは

 わたしは独立して成功した人、失敗した人、会社の中でうまくいく人、うまくいかない人をたくさん見てきましたが、「やらされている」「やってやっている」感覚で仕事をする人でうまくいった人を正直、見たことがありません。いわんや独立には絶対に向いていません。

 なぜなら、自分でビジネスを始めたら、最初は何から何まで自ら動かなければ何事も前に進んでいかないからです。今、自分のいる環境、自分が実践しているやり方が闇雲に正しいと思っているかもしれませんが、それは会社という器が用意してくれた環境であり、周りが支えてくれて可能になるやり方に過ぎないのです。

 そんな受け身な仕事の仕方を変えるためには、複業を通して何かにチャレンジし、外の世界の風にさらされることが効果的です。実験としての複業が、多くのことを気づかせてくれます。無駄に高いプライドがあるなら、その鼻っ柱は誰かが簡単に折ってくれます。その痛みを先に知っておくことが大切なのです。

 もし、あなたが自分のいる会社がこの先、どうなるかわからないと感じているのであれば、いつ出て行っても大丈夫な準備をしておくべきです。だからこそ、思い切りよく会社を辞めないこと。現状に不満があるときほど、外の芝生は美しく見えます。50歳の時点で少なくとも70歳までは現役で稼げるようにしておくためにも、複業に挑戦しておきたいものです。