余談になりますが、政治の世界では森友・加計学園問題を契機に、霞が関の官庁は、安倍総理に忖度しているのではないか、ということが問題になりました。そして野党は、忖度はすべて悪いものだという視点で批判・追及を徹底的に行ないました。

 そのように批判・追及する国会議員は、組織運営というものがまったく分かっていないのでしょう。巨大な組織になればなるほど、トップの意向を組織が忖度する必要性が高まります。忖度がまったくなければ、トップはありとあらゆる事項について指示を出さなければならなくなります。そんなことでは組織は回りません。トップの意向を忖度しながら、組織が自発的に動いていく。これが組織運営の原則です。もちろん、反対意見もきっちり出る環境を整えておかなければなりませんが。

 このように、僕の言っていることが正しいということを示すためではなく、僕の考え方、思考方法を組織に知ってもらうために一斉メールを活用したのです。

 日中は会議や行事出席に追われていましたので、夜中の空いた時間にほぼ毎日送る、ということを習慣にしていました。

一部の人に政治力を握らせないための
メールの活用法

 僕は、原則としてすべての情報をオープンにしていましたので、記者たちは、僕の書いたメールを入手して記事にしていたくらいです。

 一般企業でも、リーダー職にある人は、自分の方針や考え方、思考方法を部下やメンバーに浸透させるために、メールや社内チャットなどを活用するといいと思います。一斉メールを使えば、自分の考え方を部下たちにより知ってもらえますし、情報共有もしやすくなります。

 僕が一斉メールでみんなに情報を流したもう一つの理由は、特定の人物の情報の独占が変な形で力の源泉になってしまう状態を変えたかったからです。