業界全体が「レッドリスト」
市場規模は右肩下がりに

 サブウェイやモスバーガーなど、プチプレミアム価格が受け入れられない。「高級と低価格の二極化になる」のはマーケティング論の基本だと平野氏は言う。それが意味するものはなにか。

「中間価格帯のチェーン店が軒並み売り上げを落とせば、生き残りを図り、超高価格路線か超低価格路線に分かれます。ただ、食品の価格が高騰、人件費も高騰している現在では、超低価格を続けていくのは不可能に近い。そうなるとデニーズにもみられるような、超高級路線は残された最後の一手となるのです。

 ただし、どの外食産業も同じ方向に進んでいくでしょうから、あおりをくらうのはミシュランガイドに載るような、和食文化を支える中小零細飲食店。そうなると、日本の食文化の衰退を加速させる可能性もあります。グルメ志向の強い評論家としては憂うべき事象でもあります」

 平野氏によると、「そもそも飲食産業自体の市場規模は、社会の高齢化などと比例して右肩下がりの状態」で「楽な会社はほとんどない」。現在、好調な企業でも長く続く保証はなく、いわば業界全体がレッドリストに入っているようなものだ。

「大半の外食企業がサブウェイなどの報道を見て『明日は我が身』という実感でしょう。もはや外食産業の業種、業態にフロンティアはありません。どこかが伸びればマネをされ、どこかがつぶれた立地が好立地なら、その穴を埋めるべく他社が借りて出す、ということの繰り返しで、出店数も飽和状態。人口減少で減り続けるパイを、各社が手を替え品を替え奪い合っていく『終わりなき消耗戦』を、この20年間続けています。今後も外食日銭商売が、銀行が“貸せる”産業である限りは続きます」

 スクラップアンドビルドを繰り返し、徐々に衰退していくジリ貧の外食業界に、明るい未来はあるのだろうか。